梳けていく




さっきから触れる肩 偶然を装った頻度で

意識しないフリをしてたのにずるいよね


嫌いになれないな 笑った顔が可愛くて

繋げない手と手ならいっそ諦める理由欲しかった


言葉にすれば何かが変わってしまうと知ってて

それでも伝えたくて


あなたが好きだと言っていたから

伸ばした髪ももう意味がないの

強がって笑ったあたしを覗き込むようにして

無理やり目を合わせたりしないで


生まれてはじめての告白を使い果たしたけど

後悔はないと思えるように

あなたはあの子だけ見つめていて


心は目に見えないから黙っとくね

季節が変わる前にこの髪を切ってしまおう

そしてこの気持ちも


あなたが好きなのは長い髪

ではなくて髪の長いあの子だってこと

今更気づいたってもう遅い


あなたが幸せになるなら

涙なんて枯れるまで流してあげる



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